「混相流用語事典」発刊のお知らせ


「混相流用語事典」
編 者:日本混相流学会・混相流用語事典編集委員会
発行所:(株)コロナ社(112 東京都文京区千石4-46-10)
定 価:3914円(本体3800円・税114円)
発行日:1996年9月20日

序 言より


 混相流とは、その中に固体粒子や界面で区別される他の流体が混在する流れのことである。混相流は単相流に比べ一般に特殊な流体という印象を与えるが具体的な例はきわめて多い。事実、その研究の歴史は種々雑多な事例に対する対応に端を発している。そして混相流という名称が生まれる以前から自然現象、生体、工業に関連して混相流が扱われ、それぞれの分野で独自の発展を遂げてきた。現場対応型の研究から次第に物理的解釈が伴い現在に至っているが、余りにも幅広い分野で独自に進展してきたがために、相互の交流または連携は必ずしも十分ではなかった。そこでこれらの分野を混相流という共通概念で横断的につなぎ、この学問技術分野をさらに発展させることを目的として日本混相流学会が1987年に設立された。

 学会設立の趣旨から見て混相流に関係する用語を検討することは不可欠のこととして学会内部で当初から認識されていた。具体的な対象が異なるだけで同じ概念が異なった用語を用いて記述されるということは、幅広い分野での研究成果の交流をはかろうとするとき大きな障害となっている。また単相流から混相流へと興味を移す人達が増えているが、そのような人達は混相流分野で慣習的に使用されてきた見慣れないまたは聞き慣れない用語を理解することに無視できない時間と努力を払っている。流体力学の他の分野に比べると混相流という用語そのものが使われ始めてまだ長くなく、混相流を統一的に扱おうとする立場に立つと、この学問分野はまだ若い部類に属している。そのため次々に新しい用語が持ち込まれ混迷の度は増している。

 日本混相流学会設立後まもない時期に会誌編集委員会において、このような混乱した状況に対し日本混相流学会として貢献すべき事が議論され、その結果会誌の編集委員会とは別に混相流用語辞典編集委員会が設置された。混相流用語辞典編集委員会では、種々の議論の末、現在混相流に関係して種々の現場で使用されている用語が一体どのような意味で使われているのかを示すことが先ず第1段階として必要であり、従って本書の編集に当たっては混相流関連用語の現状の姿をありのままに示すことを編集方針とした。混相流研究がさらに成熟した場合、用語の統一や規格が考えられるが、その仕事を将来に残すことにした。また若い学会らしく若手研究者にも執筆を依頼した。以上が辞典でなく事典とした理由であり、この編集方針を受けて事典編集委員会内に事典編集委員会が設置され、そこで作業が進められた。

 最後に本書の刊行に至るまでに賜った多くの方々からの暖かいご支援に深謝する。特に学会会員の一部の方々には貴重な時間を割いて内容を検討していただき、編集委員会の到らぬ面を補っていただいた。刊行計画の段階から協力を惜しまなかったコロナ社にも謝意を表する。


混相流レクチャーシリーズ 第16回
「離散粒子シミュレーション入門(パソコン実習付き)」


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